月経前のつらさに対してできること ~PMS・PMDDの非薬物療法について~
月経前のつらさに対してできること
~PMS・PMDDの非薬物療法について~
■ PMS・PMDDとは?
月経前になると、心や体にさまざまな不調を感じることがあります。
このような状態を「PMS(⽉経前症候群)」といい、特に気分の落ち込みやイライラ、不安感がとても強く、日常生活に支障をきたすような場合は「PMDD(⽉経前不快気分障害)」と呼ばれます。
PMSは多くの女性が経験するもので、PMDDはその中でも症状が特に重いケースです。
症状は排卵後〜⽉経開始までに現れ、⽉経が始まると自然に軽くなることが多いです。
■ 薬を使わない対策ってあるの?
薬に頼る前に、あるいは薬と一緒に、生活習慣を整えることで症状をやわらげる方法があります。
食事の内容や過ごし方を少し変えるだけでも、「気持ちが軽くなった」「身体がラクになった」と感じる方も多いです。
以下では、特に食事で気をつけたいポイントをご紹介します。
食事でできるPMS・PMDD対策
◎ 積極的にとりたい食品
→ 気分の安定やエネルギー補給に◎
例:玄米、オートミール、全粒粉パン、野菜、果物、豆類 など
→ 満腹感が得られ、気分も落ちつきやすくなります
例:魚(特にサバやサケ)、鶏肉、豆腐、納豆、卵、ナッツ など
→ ホルモンのバランスや炎症を抑える働きも
例:アボカド、オリーブオイル、ナッツ類、青魚(サバ・イワシ)など
→ ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富
カルシウム:葉物野菜、乳製品 → 気分や頭痛の安定に
マグネシウム:ナッツや種 → 膨満感や乳房の張り対策に
ビタミンB群やDもPMS予防に役立つとされています
→ 血糖値の急な変動を防ぎ、気分のムラをやわらげます
→ 1日3回ではなく、5~6回に分けて少しずつ食べるのがおすすめです
✖ 避けたい・控えたい食品
→ 気分の落ち込みやイライラを悪化させることがあります
→ 塩分・添加物が多く、むくみやお腹の張りの原因に
→ 不眠や不安感を強める可能性があります
→ 気分の不安定さや睡眠の質の悪化につながることも
→ 月経痛や体のだるさが強くなる場合があります
自分に合った工夫を見つけましょう
食べ物の感じ方や体への影響は人それぞれ。「これを食べたら調子がいい」「これは控えた方がラク」など、少しずつ自分の体と向き合いながら試してみましょう。
● 実践のコツ
- 1週間分の献立やおやつを事前に考えておく
- 加工されていない自然な食材を中心に
- お腹が空いた/満たされた感覚に目を向ける
- 水分補給も忘れずに
■ 最後に
「どうして毎月こんなにつらいんだろう…」そんなふうに思っている方も多いと思います。
けれど、少しの工夫で「毎月のつらさ」が和らぐこともあります。無理のない範囲で、できることから始めてみてくださいね。
必要があれば、医療機関での相談もぜひご利用ください。