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不眠症

不眠症とは、眠りの不調全般を指し、寝付けない、途中で目が覚めるといった問題を含みます。
適切な睡眠が取れない状態を総称しています。

不眠症が要注意な理由

不眠症が要注意な理由には2つあります。
1つ目は、うつ病や適応障害などの症状の一部として不眠が現れる場合があることです。
この場合、不眠は心の不調のサインであり、治療のきっかけにすることが重要です。
2つ目は、不眠がうつ病や適応障害の悪化につながることです。
眠れない日が続くと頭が休まらず、症状が悪化する可能性があります。
したがって、不眠が続く場合は速やかに受診することをお勧めします。

不眠症の分類

不眠症は以下の4つに分類されます。

  1. 入眠障害: 寝つきが悪い。
  2. 中途覚醒: 途中で目が覚める。
  3. 早朝覚醒: 朝早く目が覚める。
  4. 熟眠障害: 眠りが浅く、寝た気がしない。

これらの症状は一つだけでなく、複数同時に現れることもあります。

不眠症の原因となる3要素

不眠の原因としては、以下の3つが主な要素です。

  1. 睡眠環境の不良: 寝る前にスマートフォンを使いすぎたり、カフェインを摂取したり、生活リズムが不安定でリラックスできない場合。
  2. 体や心の不調: 痛みやかゆみ、うつ病や適応障害などの症状で眠りづらくなる場合。
  3. 強い緊張やプレッシャー: 寝ることへのプレッシャーやリラックス不足で寝づらくなる場合。

不眠症に伴う3つの影響

不眠が続くと以下の3つの影響が現れます。

  1. 次の日の不調:集中しにくく、疲れやすくなる。
  2. 心の不調:不眠が続くとうつ病や適応障害が悪化する。
  3. 身体の不調:不眠が続くと生活習慣病のリスクが上がる。

不眠症の治療の方向性

治療の基本方針は、まず生活面の対策を行い、それでも改善しない場合に薬物療法を併用することです。
なるべく薬以外の方法で改善を図ることを目指します。

不眠症の治療①生活面の対策

生活面の対策としては、以下の点を重視します。

  1. 睡眠環境の改善: 寝やすい環境を整える。スマートフォンの使用を控え、カフェイン摂取を避ける。
  2. 考え方への対策: 自分を追い詰めず、悪循環に陥らないようにする。考え事をする時間を夕方や翌日にずらす。
  3. 生活リズムの改善: 昼間に活動し、夕方からリラックスするリズムを作る。起床時間を一定にすることが重要です。

不眠症の治療②薬物療法

生活面の対策でも改善しない場合に薬物療法を検討します。
まず依存性のない睡眠薬を試し、それでも効果がない場合は一般の睡眠薬を使用します。
ただし、一般の睡眠薬には依存のリスクがあるため、慎重に使用します。

執筆・監修

精神保健指定医 野口晋宏

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